意外とよく見る?後頭部のへこみ

こんにちは!『倉敷で頭蓋骨の治療をする整骨院』かわばた整骨院院長の川端です。

後頭部のへこみ、気になりますよね。見た目の問題だけでなくひどい頭痛持ちの方は注意して下さい。そこが頭痛の原因かもしれません。

後頭部のへこみの正体は骨の重なり

このへこんでいる部分、何かと言いますと左右の頭頂骨の下に後頭骨がもぐり込んでいる状態です。骨に穴があいているわけではなく骨が重なって凹みが出来ています。

ちなみに、赤ちゃんの頃はこの部分に本当に穴があったはずです。頭のてっぺんの前方の穴(大泉門)は有名ですが、後ろの穴(小泉門)がこの部分です。穴が小さく、また早くふさがってしまうためあまり知られていません。

大泉門・小泉門の位置を示す

頭蓋骨 上から見た図(上が前方)

おそらく、この骨の重なりは赤ちゃんの頃からあったものと思われます。実は出産時に頭蓋骨の一部が重なって生まれてくることはよくあります。せまい産道を通るため頭蓋骨を重ならせて生まれて来るわけです。

通常であれば成長とともに重なりが解消されるのですが、まれに重なったまま成長してしまうケースがあるようです。特に後頭部のへこみの部分は骨がなかった部分に骨が作られるわけですから頭頂骨の下にもぐり込む形で骨が作られてしまいそのまま成長してしまうというわけです。

後頭骨がもぐりこむ位置を示す

頭蓋骨後方から見た図

頭痛の原因になる場合がある

まず、安心して下さい。後頭部にへこみがあっても健康被害が起こることはほとんどありません。ですが、過去に数例この部分が原因と思われる頭痛の症例がありました。

目の奥が痛み、吐き気がするほどの頭痛です。症状からして頭蓋骨内部の硬膜を刺激してしまったと思われます。

硬膜とは何かというと頭蓋骨のうち脳を覆っている部分の内側に張り付いている丈夫な膜です。そしてこの膜、頭蓋骨の内側を覆っているだけでなく右脳と左脳の間の仕切り、大脳と小脳の間の仕切りにもなっています。

そしてこの硬膜の多くは三叉神経という神経の一部が分布しており、この神経が硬膜の痛みを伝えています。(ちなみに、脳は痛みを感じません)面白いことにその神経は眼の痛みを伝える神経から枝分かれしており、この部分の痛みが眼の奥の痛みとして感じられているのではないかと言われています。

後頭部のへこみの部分にも内側に硬膜が張り付いているはずなのでもぐり込んだ後頭骨によって硬膜に突っ張る部分ができているはずです。また、ここには右脳と左脳の間の仕切りの硬膜も付着しているため仕切りとなっている硬膜にも突っ張りができ、つながっている大脳と小脳の間の仕切りの硬膜にまで突っ張りができているおそれがあります。

それらの突っ張っている硬膜が何かの拍子に痛み始めると眼の奥が痛い頭痛が起こるのではないかと考えられるわけです。

大人になってからでも後頭部のへこみは治療可能

では、その後頭部のへこみは治療できるのか、ですが大人になってからでも可能です。ただし、この部分だけでなく頭蓋骨全体の異常を取り除く必要もあります。へこんだ状態で安定してしまっていますので他の部分も正しい状態にしなければすぐに元に戻ってしまいます。

大人になったら後頭部のへこみの骨がくっついて治療できないのではないかと心配な方もいらっしゃると思いますが今の所大人の方でも骨がくっついてしまっているというケースはありません。症例がそんなに多くないので絶対とは言えませんが大人になっていても治療は可能です。

また、頭蓋骨だけでなく全身の骨格も異常を取り除く必要があります。特に頸椎の問題から後頭骨の異常を起こし硬膜のバランスを崩してしまうというケースもあります。

参考
首を治すと頭痛が治る?頭痛と頸椎の関係

そのようなわけで後頭部のへこみだけを治療するというわけにいかないため、本当にここが原因だったのか確信が持てませんが頭痛を訴える患者さんのほとんどは頭蓋骨を含んだ全身の治療で改善しています。

もし、あなたが後頭部のへこみと激しい頭痛で悩んでいるなら治療してみる価値はあると思いますよ。お近くの頭蓋骨の治療ができる治療院を探してみて下さいね。

ではまた!