骨がズレることはほとんどない。あるのは可動性の変化である。
こんにちは!『本気で治したい人のための整骨院』かわばた整骨院院長の川端です。
骨がズレることはほとんどない
よく患者さんから『骨がズレていますか?』と聞かれるのですが、実は骨がズレるということは滅多にありません。特に背骨に関してはほぼありません。
おそらく骨が正常な可動範囲から外れて戻れなくなってしまった状況を『骨がズレた』と表現しているのだと思いますがそれはかなりの重傷です。
よく知られた病気ですと腰椎のすべり症がその様な状態です。重度のすべり症では歩けなくなる場合があるほどですので、そう簡単に背骨がズレることはないことが理解できると思います。
背骨が歪むのは可動性が変化しているため
でも、背骨が歪んでしまうという状況はありますよね。これ、実は骨がズレているのではなく可動性が変化しているだけです。
主に、関節の可動性が正常な範囲の中で制限されています。
正常な状態では骨は左右に同じだけ動けます。当たり前ですが力を抜くと中間に戻ります。
ところが、一方の可動性が制限されると…
力を抜くと動きやすい方に少しだけ移動して止まります。これが『骨がズレた』と思われている状態です。骨がズレたわけではなく可動性が変化しただけなのがわかるとおもいます。
関節の可動性が変化するのは固有受容器の機能障害のため
では、なぜ関節の可動性が変化するのでしょうか?それは、関節の固有受容器が機能障害を起こすためです。
関節の固有受容器とは、関節がどんな状態にあるのかを感じる受容器です。曲がっているのか、伸びているのか等といった状態を感じます。そして、意識することなく関節の固有受容器の情報から筋肉の緊張のバランスを取っています。
例えば関節を曲げる時は反対側の筋肉は力を抜かせる等といった調整が勝手に行なわれます。
関節の固有受容器が機能障害を起こすとこの調整がうまくいかなくなります。つまり、関節や筋肉が自分の正しい位置や長さを間違って覚えてしまうわけです。
そして間違った位置や長さに調節されてしまうため、骨がズレているように見えてしまいます。
強く矯正する必要はない
骨がズレているわけではないので必ずしも強く矯正する必要がないことが理解できると思います。本当にズレている場合は強い力で戻す必要がありますが、可動性が制限されているだけなので左右均等に動くようにすれば見た目のズレもなくなります。
また、関節の矯正音が鳴らないと骨のズレが治らないと思っている方が多いですが矯正音も鳴らす必要は全くありません。なぜならば骨がズレているわけではないからです。
確かに関節の矯正音と共に関節の可動性が正常化することはあるのですが、矯正音が鳴ったから正常化するとは限らず、鳴らなかったから正常化しないとは限りません。
ですが、矯正治療をされる先生の中には『患者さんは音が鳴れば満足する』と考えている方もいるようです。悲しいことです。
まとめ
- 骨がズレることはほとんどない
- ズレているように見えるのは関節の可動性が変化したため
- 矯正音を鳴らす必要はない
ということでした。ちなみに当院では音の鳴らないテクニックで関節を穏やかに治療しています。衝撃を加えることがないので子供からお年寄りまで安心して受けていただけます。
ではまた!