出産後は骨盤が開く?開いた骨盤とは何か

こんにちは!最近初回の患者さんの問診~検査~治療で1時間位かかってしまっているかわばた整骨院院長の川端です。受付からのプレッシャーをひしひしと感じます。うまく予約を調節してくれて他の患者さんをお待たせしないようにはしていますが…、もう少し短縮できるように前向きに検討します。(危険な症状の見落としがあるといけないし、患者さんの訴えを正確に把握したいので時間がかかってしまってます…)

出産後は骨盤が開く?

先日、患者さんと骨盤の話をしていて噛み合わない部分がありました。気になって調べてみると…

どうやら世間では出産後こうなることになってるようです。

そして、具体的に『骨盤が開く』とはどのような状態か調べてみても漠然としか説明されていません。

骨盤は開くのか?

では、骨盤は開いたり閉じたりといった動きはするのでしょうか?

します。それも妊娠や出産に伴って動く、ここまでは間違いありません。ただし、おそらく一般的に認知されている『開いた骨盤』とは違います。

まず、骨盤の構造をおさらいしてみましょう。骨盤は後方中央にある仙骨と、その両側にある寛骨からなります。そして寛骨は後方で仙骨と仙腸関節を形成し、前方では寛骨同士が連結し恥骨結合を形成しています。

世間で考えられている開いた骨盤、どうやら骨盤の前方が開くと漠然と考えられているようなのですが前方の恥骨結合はどうなるのでしょうか?単純に前方が開くだけだと恥骨結合が離開してしまいます。
(出産時に恥骨結合が離開することはありますが継続して離開したままになる症例は稀です)

それとも、離開しない程度に弛緩することを開くと表現しているのでしょうか?

寛骨アウトフレア

おそらく、『開いた骨盤』に最も近い概念は『寛骨アウトフレア』です。これは、骨盤の上方が外側に開き、逆に下方の坐骨は内側に閉じる状態を指します。前方の恥骨結合を離開させずに骨盤を開くと骨盤の下方が閉じていくのが想像できると思います。

この状態になりますと寛骨に存在する股関節の関節窩が若干後ろを向くためあおむけに寝るとつま先が外を向きますので辻褄が合います。

ですが、想像してください。骨盤の下方が閉じて出産できるでしょうか?

そうなんです、出産時は骨盤の下方が開くはずなんです。

寛骨インフレア

と言うことは出産時の骨盤は『寛骨インフレア』、骨盤の上方が内側に閉じ、下方の坐骨が開いた状態になります。ちなみに仙骨も前方に倒れるニューテーションと呼ばれる状態になり下方のスペースを広げます。

かわばた整骨院にも出産後に腰痛を訴えて来院される方がたくさんいらっしゃいますが、ほとんどの方が寛骨インフレアで仙骨ニューテーションになっています。

まとめ

というわけで、産後の骨盤は閉じています。出産後骨盤の不調で悩んでいる方、開いているのが原因と思い込んでむやみに閉じようとせず、一度専門家に診てもらうことをお勧めします。

ではまた!

使用イラスト(c)フリーメディカルイラスト図鑑

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