いつまでも足首が痛い原因と治し方

こんにちは!倉敷で骨格から根本的な治療を行なうかわばた整骨院院長の川端です。

捻挫の患者さんがやってきた

足首の捻挫の患者さんがいらっしゃいました。よくあるケガですが、少し違ったのは整形外科で治療済みということ。もう治っているはずなのにまだ痛いので見て欲しいということでした。

患部に腫れはありませんが前距腓靭帯に圧痛があります。前方引出しテストでも少し痛みがありますがエンドフィールはしっかりあります。骨に圧痛・叩打痛がないので骨折の可能性は低い。腓骨筋腱の逸脱も起こらない。靭帯の治癒が遅れているのでしょうか?

腫れていないのにひどい捻挫もある

ちなみに足首の捻挫の場合、腫れが少ないから大したことはないという判断はできません。(してしまう専門家も多いですが…)なぜかというと、足首の捻挫で断裂する前距腓靭帯は関節包という関節を包んでいる袋の中の靭帯だからです。腫れが関節包の中だけでおさえられてしまうのですね。

なので、腫れていないのに靭帯が切れているというケースもあるわけです。腫れていないから大丈夫と判断せずに捻挫した場合は専門家に診てもらって下さいね。

固有受容器の障害が痛みの原因だった

ですが、今回の患者さんは靭帯の検査でしっかりつながっていることを確認しています。なのに痛みが続いています。微細な損傷が治癒せずに続いているのでしょうか?

次に、足首を外側に曲げて前距腓靭帯をたるませた状態で触ってみます。今度は全く痛みません。たるませたからといって損傷した靭帯の痛みが消えるでしょうか?どうやら痛みの原因は靭帯の損傷というよりも、固有受容器の障害だったようです。

固有受容器とは、靭帯や筋肉などに存在する受容器で関節の動きなどを感じています。通常、これらの受容器からの情報で関節の動きが調節されています。関節は今曲がった状態だからこっちの筋肉の力を抜いて反対側の力をちょっと入れて…などということが無意識のうちに行なわれているのです。

どうやら捻挫のショックでその固有受容器の調節が狂ってしまったようです。わかりやすく言うと捻挫のショックで関節が自分の位置を間違えて覚えてしまったようです。

そうとわかれば治療は簡単。先ほどの足首を外側に曲げて前距腓靭帯の痛みがなくなる肢位を90秒間保持してその後ゆっくり戻します。自分の正しいテンション(張り具合)を間違えて覚えてしまっている靭帯をたるませてもう一度正しいテンションを覚えさせます。(カウンターストレインというオステオパシーの技法です)

足首の治療肢位

これで痛みは消失、そのまま治療は一回で終了となりました。

自分で治療する方法

多少効果は劣りますが自分で行なう方法を紹介します。外くるぶしの少し前を押すと痛い場合です。痛い方の足裏を床に着けて座り、膝を外側に倒して足首を外側に曲げていきます。角度を調節しながら外くるぶしの前を押しても痛くなくなる角度を探します。

自分で行う足首の治療

見つかったらそのままの角度で90秒間待ちゆっくりと戻します。すると戻しても外くるぶしの前を押しても痛くなくなっているはずです。

当然ですが靭帯を損傷している場合は効果がないのできちんと専門家の治療を受けて下さいね。きちんと治しておきたい方ももちろんどうぞ!

ではまた!

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