ご主人の名前でお願いします?整骨院でのサインについて

こんにちは!梅雨が明けてロードバイク通勤がすっかり定着したかわばた整骨院院長の川端です。倉敷で真面目に二段階右折をしているロードバイクを見かけたらきっと私です。

整骨院で施術を受けるにはサインが必要

整骨院で施術を受けたことがある人はご存知かと思いますが、整骨院で健康保険を使用して施術を受けるには療養費支給申請書(通称レセプト用紙)にサインが必要です。
receipt

この用紙の右下の部分にサインをするわけですが、初めての方は何でだろう?と思ってしまうルールがいくつか存在します。

なぜサインが必要なの?

まずそもそもなんでサインが必要なのでしょうか?病院では不要なのに。それは、病院と整骨院では保険の仕組みが違うためです。

病院で治療を受ける場合には(3割負担の場合)

  1. 料金の3割を支払う
  2. 療養(医療)が提供される

という流れになりますが、整骨院の場合は本来

  1. 料金の10割を支払う
  2. 施術を受ける
  3. 料金のうちの7割が療養費として健康保険から支給される

という流れになります。(この様に一度全額支払った後、7割の療養費を返してもらうのを償還払いと言います)どちらも3割の負担で治療や施術を受けられるのですが、償還払いでは一時的に全額支払ったり療養費を請求したりするという手間があるという欠点があります。そこで

  1. 料金の3割を支払う
  2. 施術を受ける
  3. 料金のうちの7割を整骨院に支給する

という流れにできるようになっています。つまり、整骨院で3割の料金のみ支払い、残りの7割の療養費の請求を整骨院に委任するというわけです。(これを受領委任払いといいます)

というわけで、整骨院でサインが必要なのは7割の療養費の請求を整骨院に委任するためなんです。

そしてサインすることによって、整骨院でも料金の3割を支払うだけで施術を受けられるようになるわけです。

ご主人の名前をお願いします?

そして次がサインの名前。当然自分の名前を書くものと思っていたら、そうとは限りません。多いのが『ご主人の名前をお願いします』というパターン。

これはなぜかというと、療養費の請求は被保険者(保険に加入している人)が行うことになっているため、被保険者の名前を書く必要があります。

なのでご主人の扶養に入っている主婦の方は、ご主人の名前を書くことになります。

「被保険者」

じゃあ、正式には被保険者に書いてもらうものなのかな?と思ったら…

「患者が記入してください」

『患者が記入してください』

というわけで、扶養に入っている専業主婦の人などの場合は自分でご主人の名前を書かなければいけないんです。

もちろんご主人の名前をサインすることに法的な問題はありません。

ちなみにこのサイン、筆跡がチェックされていまして筆跡が変化すると調査が入ったりします。なので必ず患者さん自身が書いてくださいね。

ちなみに手のケガなどでサインすることができない場合は整骨院側で代筆して捺印してもらうことになっていますのでサインができない場合は印鑑を持参しておくとよいですよ。

なぜ、何も記載されていないのにサインするの?

そして、サインのタイミングも謎だと思います。多くの整骨院では月の初めに何も記載されていないレセプト用紙にサインを求められると思います。これは療養費の請求が月毎になっているためその月の療養費の請求をその用紙で行うためです。そしてその月に何回来てどういった処置をしたか等はまだ確定していないため何も記載されていません。

じゃあ、確定してからサインもらえば良いのに。

そうなんです。月末にその月の料金が確定してからサインをもらえば良いはずなんですが、問題があります。それは途中で来なくなってしまうケース。するとサインをもらうことができず整骨院は料金の7割が回収できなくなってしまうわけです。

そのリスクを回避するために多くの整骨院ではあらかじめ何も記載されていないレセプト用紙にサインをもらっています。

しかしそうすると患者さんの知らないところで不正な請求が行われてしまうのでは?と現在も議論が続いています。

ちなみに、かわばた整骨院では2016年5月の開院以来その月の最終来院日に料金等をすべて印字した状態でサインをもらっています。やはりサインがもらえなくて請求できないというケースは毎月数件発生しています。どうすれば減らせるんでしょうか?現在研究中です。

まとめ

  • 整骨院で健康保険を使って施術を受けるにはサインが必要
  • サインをすることによって3割負担で施術が受けられる
  • サインは患者自身がする必要があるが、名前は被保険者の名前を書く必要がある
  • 月の初めに何も記載されていないレセプト用紙にサインをする整骨院が多い

というわけでした。

ではまた次回!