首の痛みに何年も悩まされていませんか?
首を動かすとゴリゴリ音がしませんか?
治療を受けても同じ症状がすぐに出て来ませんか?
それは、痛い場所の他に原因があるからかもしれません。
なかなか取れない首の痛み
首の痛みを抱えて生活している方の苦労は痛みのない方にはなかなか理解できません。首を動かさずに生活するのは困難ですし、動かさなくても首は一日中頭を支えていなければなりません。
また、首の痛みは頭痛などの体調不良も引き起こします。なにより問題なのはこんなに辛いのに周りの人にはその辛さが全く見えないことです。
そんな拷問のような毎日を数年、あるいは数十年送っている方がたくさんいらっしゃいます。
みなさんが口を揃えて言うのは
『治療を受けてもしばらくするとまたすぐに痛くなる』
それは、おそらく本当の原因を発見できていないためです。
検査が難しい頸椎1番と2番
本当の原因として考えられる部分の一つに頸椎1番と2番の関節の障害が挙げられます。この部分は主に首の回旋、つまり右を向いたり左を向いたりといった動きをしています。
この部分で左右に45°ずつ、頸椎2〜7番でも45°ずつ回旋して首全体で90°の回旋ができるようになっています。
回旋する部位 | 回旋角度 |
---|---|
頸椎1番と2番 | 45° |
頸椎2〜7番 | 45° |
なので首全体の回旋の半分をここで行なっているわけです。
と、いうことは首の回旋角度を調べればここに異常があるかどうかわかりそうなのですが、残念ながら非常に難しい問題があります。
頸椎1番と2番に障害が起こって首の回旋に制限が起こると、2〜7番が代わりにたくさん回旋するようになるのです。
そのため頸椎1番と2番の回旋障害を検査しようとしてもうまく障害が検出されないのです。
頸椎2〜7番の動きを止めるために首を前に曲げた状態で検査する方法もありますが、残念ながらこの方法でも2〜7番の動きを十分止めることはできません。
頸椎2〜7番の動き過ぎが痛みの原因だった
頸椎1番と2番の関節の障害が原因の可能性があるという話しをしましたが、多くの人はもっと下の方での痛みを訴えます。
そして多くの治療院ではその痛んでいる部位を治療するのですが効果は一時的に終わってしまいます。なぜならばその部分は頸椎1番と2番の代償で動きすぎているために痛んでいるからです。
そして動きすぎている部分を治療してさらに動くようにしてしまい、ますます治りにくくしてしまうのです。
新しい検査方法
頸椎1番と2番の間には左右に関節面があり、これら2つの関節面に問題が発生すると回旋障害が起こります。
なので、単に回旋だけの検査では左右どちらの関節面に問題があるのかわかりません。
当院では首を前に曲げた状態、後ろに曲げた状態での回旋障害を検査しどちらの関節面にどの向きの運動制限があるかまで調べています。
この方法はKai Mitchel(マッスルエナジーテクニックを開発したFred Mitchelのお孫さん)がセミナーで指導している方法を若干アレンジしたものです。
この方法を導入してから頸椎1番と2番の障害の検出率が格段に上がりました。どうやら従来の検査方法では検出できない障害がかなりあったようです。
そしてこの部分を治療すると長年苦しんでいた首の痛みが改善することが多いとわかりました。
ちなみに、このKai Mitchelの技法を教わったのは日本でわずか数十人、実際に治療に使っているのはその中のさらに一握りしかいないと思われます。検査法も治療法もかなり難解で私も教わってから使えるようになるまで数ヶ月かかりました。
治療も難しい理由
頸椎1番と2番の障害は検査だけでなく治療も難解です。その理由は関節面の形状にあります。
普通の関節面は一方が凹でもう一方の関節面が凸になっておりそれらがはまり込む形状になっていることが多いのですが、頸椎1番と2番の関節面は両方とも凸になっています。そのため関節に運動が起こる場合山を乗り越えるように動くことになります。
この部分に動きの制限が起こると治療しようとしても関節面の山を乗り越えることができず、他の部分を代わりに動かしてしまいます。
うまく関節面の山を乗り越えさせるように治療しないと他の部分ばかり運動させてしまい、治療がうまくいきません。
左右どちらの関節面にどの向きの可動制限があるかを正確に検査し、その部分の関節面の山を乗り越えさせるように治療する必要があるわけです。
まとめ
- なかなか取れない首の痛みの原因は頸椎の1番と2番の間にあるかもしれない
- 頸椎の1番と2番に動きの制限がありもっと下の部分が代わりに動きすぎていることがある
- 動きすぎで痛んでいる場合、そこを治療してもすぐに再発して治らない
- 頸椎の1番と2番は特殊な検査をしないと異常を検出できない
- 関節面の形状から特殊な治療を行なわないと治療が難しい
首の痛みで悩んでいる方の参考になれば幸いです。ではまた!