膝の痛みがなかなか治らなくてお困りではないですか?いろいろ治療を受けてみたけれど痛みが良くならない方、もしかすると膝の半月板が後方変位しているのが原因かもしれません。
なかなか膝の痛みが治らない患者さん
かわばた整骨院には膝の痛みで来院される患者さんも多いのですが、なかなか痛みが取れない方がいらっしゃいまして悩んでいました。
当院では膝の治療は膝だけでなく骨盤や足関節等も治療して比較的短期間に痛みが取れるのですがこの方はなかなか痛みが治りません。
こういった場合何か異常を見落としているものです。膝の痛みを引き起こしそうな部分をもう一度見直していくと、痛い方の膝裏に少し硬いものが触れるのに気がつきました。場所は膝の隙間、おそらく半月板です。
痛くない方の同じ部位を触ってみてもありません。ということは半月板が後方に移動しているに違いないと気がつきました。
実は、半月板が後方に移動することがあるという知識はありました。オステオパシーには後方変位した半月板を治療するテクニックが存在するためです。ですが、半月板が後方変位するのはまれなケースだと思って見落としていました。
そして試行錯誤しながら後方に移動した半月板を治療し、その方の膝の痛みは改善に向かいました。
半月板の構造
半月板は膝の隙間、大腿骨と脛骨の間にある板状の軟骨です。膝の内側と外側に2枚あり、それぞれ内側半月、外側半月といいます。
この半月板は膝のクッションや動かしやすくする等のために存在しています。また膝の曲げ伸ばしは大腿骨と半月板の間で、膝の回旋(膝は曲げた状態だとわずかにねじる動きが可能です)は半月板と脛骨の間で起こります。
自分の半月板も後方に移動していた
そんなことがあってから膝に問題のある患者さんは必ず半月板をチェックするようにしました。すると今まで気づいていなかっただけでずっと多くの患者さんの半月板が後方変位していることがわかりました。
それどころか、以前から調子の悪かった自分の右膝の半月板も後方変位しているのを発見しました。
半月板が後方に移動すると起こる症状
そんなわけで自分の膝で色々試し、起こった変化をまとめました。必ずしも以下の症状が出るわけではありませんが、半月板の後方変位があるかどうかの参考になるかと思います。
膝を曲げると膝が内側に入る
私の膝の場合は内側半月が後方変位していたのですが内側半月が後方変位すると膝の運動軸が変化して膝を曲げると膝が内に入るようになってしまうようです。
反対に外側半月が後方変位すると膝を曲げた時膝が外に開いてしまうようです。
半月板の位置を治すと膝が内に入らなくなりました。
正座するとかかとがお尻より外にはみ出す
上と同じ理由ですが内側半月が後方変位している場合、正座するとかかとがお尻よりも外にはみ出してしまいます。
膝の運動軸が斜めになってしまうためかかとがお尻よりも外に向かって膝が曲がるようになってしまうようです。
半月板の位置を治すと正座してもかかとがお尻の真下に来るようになりました。
膝立ちになると床に当たった部分が痛い
膝立ちになると床に当たった部分が痛むことがありました。これはどうやら半月板が後方変位していると常に膝から下が回旋している状態なので、本来膝立ちでは当たらない位置が床に当たり痛んでいたようです。
膝の角の部分で、なおかつ膝の回旋運動が障害されており衝撃が吸収できないことも原因だったようです。
これも半月板の後方変位を治すと膝立ちになっても床に当たった部分が痛まなくなりました。そして床に当たる部分が膝の中央近くに変化しました。
あぐらをかくと膝が痛む
以前からあぐらをかくと膝が痛むことがありました。どうやら膝から下が自由に回旋できないとあぐらをかくと膝が痛むようです。
半月板の後方変位を治すと痛まなくなりました。
膝の曲げ伸ばしでパキパキと音がなる
膝の曲げ伸ばしでパキパキと音がなっていました。後方変位に限らず半月板に異常があると音がなることがあるようです。
残念ながら後方変位を治しても音は消えませんでしたが、あまりならなくはなりました。
半月板の位置を治すと一週間程度屈伸運動で痛みがある
半月板の後方変位を治すと膝の曲がり方がまっすぐになり膝にしっかり力が入るようになりましたが、膝を深く曲げると少し痛みが出るようになりました。
一週間程度で痛まなくなったので膝の曲がり方の変化に組織がなじんでいなかったようです。
終わりに
あまり知られていない半月板の後方変位による膝の症状について紹介しました。原因不明の膝の症状で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
ではまた!